発想には限界がない

1%の可能性を信じて、限界集落を救った石川県羽咋市職員(現・農林水産課ふるさと振興係課長補佐)高野誠鮮さんの実録(ノンフィクション)です。


会議はやらない。企画書は作らない。上司には事後報告。

「本当に人の“役”に立ってこそ“役人”です」…


「最近の会社員、特に大企業に勤めている人は、公務員化しているようです。

いざ新しいプロジェクトを始めようとすると、失敗することを恐れて初めの一歩が踏み出せず、前例ばかりに縛られていい知恵も出てこない。そして何より誰も責任を取りたがらない。そのくせ会議は何回も何十回も開き、分厚い立派な企画書を作りたがる…。

けれど私は聞きたいのです。実際に動き出すのはいつですか、誰ですか?と。

たとえば、天井の電球が切れていたとする。それをみんなで下から見て、あーだこーだ騒いだところで灯りはつきますか? 誰かが電球を取り替えないと明るくはならないのです。」

冒頭より


「実行したから「失敗した」「うまくいった」と言われます。何もしないのとやってみるのでは天地の開きがあり、何度も失敗を繰り返したからこそ私たちは、補助輪なしで、初めて自転車に乗れました。「ひっくり返ったらどうする?」「転んだらどうする?」と言われてもやめてはいけません。もう一度トライして乗るだけ。だから自転車に乗れるのです。印刷物の計画書のとおりに世界は動かない。でもそれは、計画書が甘いから出来ないのではなく、実行しないから出来ないだけ。過疎高齢化の問題にしても、何度議論すれば1%高齢化率が下がるのでしょうか? 議会で論議さえすれば下がるのだったら、日本中から過疎集落はとっくになくなっています。役人は、文書を作るのが仕事でなく、本当に課題を解決し、変えるための行動や実行する力を求められているのです。」


「何もしないで「出来ない」という人が多いのですが、結局は人の努力によって解決できることがほとんどです。たとえ少しずつでも出来ることを積み上げていけば、大きなことになる。1%でも可能性があれば、とにかくやってみようの信念で、今日も仕事と向き合っています。」

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